バタールを焼いた。
ふと食べたくなった。
タワーマンションの住人とパン教室に通っているおかげで本格的なパンが焼ける。
バケットもいいがバタールもいい。
毎日朝食に焼き立てのパンを出す。
日によってパンを変え子供のリクエストも聞く。
パンを作るのに時間はかかるがそれがいい。
こねて寝かして発酵させる。
工程毎に意味がある。
発酵を待つ時間が好きだ。
パンの発酵する香りを感じながらコーヒーを飲む。
キッチンからいい香りがリビングに広がるのもいい。
発酵をしふくらんだ生地をみるとほっとする。
今日も無事に膨らんだと。
生地の膨らみ方や状態を手で感じながらガス抜きをする。
ベンチタイムもガス抜きも丁寧に行う。
時間はたっぷりある。
丁寧にパンを作れるのが嬉しい。
言い焼き具合のバタールになった。
私はフレッシュバターを塗って。
子供はオープンサンドにして。
話をしながら食べる日常。
美味しい美味しいと食べる子供の姿が愛らしい。
お母さんのパンが一番美味しいと。
子供の美味しいが聞きたくてパンや料理を作る。
美味しいと食べてくれる子供の姿に作り甲斐を感じる。
お金が無かった頃は時間も無かった。
だからパンを作ろうと考えた事はない。
安いパンをよく買って食べてはいた。
百円以下の食パンや菓子パン。
栄養や原材料なんてどうでもいい。
空腹が満たされればそれでいい。
私はそれでいいが子供にはきちんとした物を食べさせたいと。
子供が大きくなるにつれ思うようになった。
お金に余裕が出来たら時間に余裕が出来るようになった。
そしてパン教室に通い始めて数年。
パンもケーキもお菓子も作れる。
この年になって習い事をするなんて思わなかった。
楽しいから続いているパン教室。
子供の為にパンが作れるようになってよかった。
お金と時間に余裕がある生活に感謝。