争いと平和

毎朝パンを焼く。

タワーマンションの住人とパン教室に通っているおかげで本格的なパンが焼ける。

焼き立てのパンを朝食に出せるのは嬉しい。

毎日違ったパンを焼く。

パンの焼ける香りで子供は目覚める。

今朝もいい香りだねと。

朝食は焼き立てのパンにサラダとスープ。

寒い朝に温かいスープはいい。

当たり前の朝食。

毎日当たり前に来る朝。

世界のどこかで争いがあるなんて。

実感がない。

でも争いが起こっているのは事実。

出来る事はしたいと子供と寄付をした。

私に出来る事は寄付。

これからも続けたい。

当たり前の朝が来る事は尊い事。

争いが起きて改めて痛感する。

平和が当たり前ではない。

穏やかにいつものように朝食を取れる事は幸せな事だ。

お金が無かった昔。

焼き立てのパンを食べた事も無かった。

パンは半額になったスーパーのパン。

少しでも安くなった後に買う。

自分で作る時間なんてない。

作れる技術も無い。

子供に栄養がある物を食べさせて私は少しでも安い物を。

栄養なんてどうでもよかった。

安ければいい。

数十円のパンを食べて生活をしていた。

子供が大きくなったらこんな生活をみてどう思うだろうか。

虚しく思うだろうか。

お金が無くて安くなったパンや果物を買う。

それを毎日続けていると虚しく恥ずかしい気持ちになった。

私はこんな物しか買えない。

惨めで苦しい。

私一人だったらいい。

でも子供にはこんな思いはさせたくない。

お金がないから。

そう思って食事をして欲しくない。

成長期の子供に安くなったパンはあんまりだ。

お金と時間に余裕がある今。

お金に余裕が出来たら時間に余裕が出来た。

おかげでパン教室に通う事も出来るようになった。

充実した生活。

焼き立てのパンを食べる事が出来る生活。

贅沢で質のいい生活。

質のいい生活は気持ちを穏やかにする。

イライラしない。

豊かな食生活は豊かな心を作る。

そう思い子供に食事を作っている。

美味しい物を美味しいと感じながら食べて欲しい。

お金が無くてこれだけしか食べられないから。

そんな思いで食べて欲しくない。

子供が赤ちゃんの時はお金が無くて苦しかった。

物心ついた頃は幸い稼げるようになっていた。

子供はお金が無かった頃の生活をしらない。

貧しい思いをさせなくてよかった。

子供と話をする中で今の生活がありがたい物という事を伝える。

昔は余裕が無かったと。

今は余裕がある生活を送れていると。

子供はいつも真剣に話を聞いてくれる。

世界の中で争いが起こっている。

その中でも平和に過ごせている。

当たり前に生活出来ている事。

全てに感謝。

お金が無い生活から抜け出しお金に余裕がある生活が出来ている。

豊かな生活が出来てよかった。

感謝を忘れないようにしたい。